トーナメントの組合せ

スポーツの大会でよく行われるトーナメントですが、その組合せは一体何通りあるのでしょう?

ここでは、A〜Hの8チームが参加をするとします。
トーナメントの表も,次の図の通りであるとします。

例題1 1回戦から決勝の全ての試合において,右が一塁側、左が三塁側と区別をつけるときの組み分けの方法は何通りか。

8チームの野球のトーナメントの、フリー抽選の状態を想定しています。
8チームがどこに入っても区別がつくので,8!=40,320通りとなります。

例題2 8チームが対等で、abcdそれぞれの左右に区別はつけないが、abcdには区別があるときの組み分けの方法は何通りか。

サッカーのトーナメント(ホームでもアウェイでもない会場での開催)がこのような感じでしょうか。
1会場での同時開催は不可能だが、2チーム区別はつけないようなときの設定です。
この設定の場合は部屋割り問題と同様に考えると簡単です。
82×62×42=2520通りです。

例題3 8チームが対等で、aとb,cとd,eとfには区別をつけないときの組み分けの方法は何通りか

剣道や卓球などのように、1会場での同時開催が可能な場合はこれになります。
例題2に対して、上記3つの23通り分に区別がつかなくなるので,2520/8=315通りになります。

それでは、さらに条件を付け加えてみましょう。

例題4AとBが決勝まで当たらないような組合せは何通りか。

シード制などでは、このような条件がつくと思います。
1回戦から決勝の全ての試合において,右が一塁側、左が三塁側と区別をつけるとき

Aの決め方は8通りありますが、Bは別の山に入るので4通りに減ります。
あとの6チームは普通の順列になるので,8×4×6!=23,040通りになります。
abcdそれぞれの左右に区別はつけないが、abcdには区別があるとき
Aの決め方はabcdからの4通り、Bの決め方は2通りになります。
残った6チームのうち、Aと当たるチームが6通り、Bと当たるチームが5通り、
残りは42通りとなるので、
4×2×6×5×6=1,440通りになります。
aとb,cとd,eとfには区別をつけないとき
Aはa,Bはdに入ると決めて良く、eとfに区別がつかないので1通りです。
このように決めると、自動的にabcdに区別がつけられるので、
6×5×42=180通りとなります。

例題5AとBがP県、CとDがQ県、EとFがR県、GとHがS県の代表で、
同じ県代表ののチーム同士が決勝まで当たらないようにする組合せは何通りか。

どの設定においても,PQRSを2つずつ用意し、aとbで1個ずつ、cとdで1個ずつ振り分けます。
1回戦から決勝の全ての試合において,右が一塁側、左が三塁側と区別をつけるとき

PQRSのそれぞれの並び方は4!通りずつあり、
PQRSが決まれば、各々に2通りずつの分け方があると考えれば良く、
(4!)2×24=9,216通りとなります。
abcdそれぞれの左右に区別はつけないが、abcdには区別があるとき
aとbでPQRSを組み分ける方法は42通りあり、
cとdでも同様。その後は各々に2通りずつの分け方があるので、
2×24=576通りとなります。
aとb,cとd,eとfには区別をつけないとき
例題4と同様、Aはa,Bはdに入ると決めて良く、これは1通りです。
初戦でA(B)と当たる県はそれぞれ3通りずつあり、
当たらない県どうしは自動的に決まる。
また、QRS3県の代表それぞれに、Aの山に入るかBの山に入るかの2通りずつがあるので、
2×23=72通りとなります。

関連項目;トーナメントの優勝確率について

ちなみに、夏の高校野球の組合せですが、
東ブロックの24校と、西ブロックの25校に別れ、
同地区が1回戦で当たらないように抽選します。
この場合の抽選結果の場合の数は25!×24!ですから、実に9.62×1048通りあります。
1塁側と3塁側に区別をつけてしまうと、さらに224倍ですから、1.61×1056通りに跳ね上がります。
9.62×1048通りの全てを、厚さ0.1ミリの薄い紙に1枚ずつ書いて重ねると、
1光年を9.46×1015メートルとしても、1.01×1029光年に達します。
宇宙の大きさは150億光年と推定されていますが、
それでも3.30×1018個分になります。膨大すぎる・・・
1枚10秒の速さで書けたとしても、1.82×1044年、
宇宙の歴史が130億年だとすると8.80×1034回繰り返さなくてはいけないそうです。
単純に同じ県の組合せ、と考えた場合は西ブロックを固定します。
それでも25!=1.55×1025通りの組合せがありますから、
同じ要領で厚さ1ミリの紙に書いていくと、79,708光年になります。
銀河系の直径がおよそ10万光年ですから、まあ、そのような感じです(意味不明)
例えば大阪代表と神奈川代表が初戦でぶつかる確率だけだったら、1/25となりますから、
普通は25年周期で考えるのでしょうけど・・・