トーナメントに関する確率

スポーツの大会でよく行われるトーナメントに関する確率を考えます。
(組合せの方法はこちらです)

トーナメントの表は,次の図の通りであるとします。

全ての対戦結果の確率が1/2だとつまらない(?)ので、
各チームの勝率を次の表のようにまとめておきます。

○ AとHが直接対戦するときは、どちらが勝つのも1/2
○ AとHの両チームの、その他の試合で勝つ確率は2/3
○ B〜Gチーム内では、どの組合せでも1/2

この条件下で、Aチームの優勝する確率と、Bチームの優勝する確率を、
それぞれ求めてみたいと思います。

例題1Aがaの左、Hがdの右と、シード扱いで固定され、
他がフリーの抽選であるとき

AとHが決勝まで当たらない場合を考えてみましょう。
まず、Aが決勝まで進む確率は(2/3)2=4/9となります。
Hが決勝まで進む確率も4/9ですから、
Hと決勝で対戦して優勝する確率は、(4/9)×(1/2)=2/9となります。
一方、決勝戦がHでない確率は残った5/9だけあるはずです。
決勝戦がHでなく、Aが優勝する確率は(5/9)×(2/3)=10/27となります。
よって、Aが優勝する確率は(4/9)×{(2/9)+(10/27)}=64/243となります。

トンチが効けば、Hの優勝する確率も64/273であり、その他のチームが勝つ確率は、
(243-128)/243=115/243ですから、Cの優勝確率はこれを等しく6で割り、115/1458となるはずです。
本当にそうなのか、実際に検証して見ましょう。
初戦でAまたはHと対戦するとき

抽選の結果でこのようになる確率は2/6=1/3です。
初戦がAだとすると、これに勝つ確率は1/3、2回戦で勝つ確率は1/2なので、
初戦がA(H)で決勝に進む確率は1/18となります。
初戦がbまたはcのブロックのとき
抽選でこのようになる確率は2/3です。
以下、bのブロックに入ったとして話をすすめます。
1回戦に勝つ確率は1/2です。
2回戦でAと当たる確率は2/3なので、
2回戦でAと当たって決勝に進む確率は2/3×1/3
2回戦でAと当たらずに決勝に進む確率は1/3×1/2
以上より、初戦でbまたはcのブロックから決勝に進む確率は、
(2/3)×(1/2)×{(2/9)+(1/6)}=7/54となります.
以上のことから、Cチームが決勝に進む確率は、
(1/18)+(7/54)=10/54=5/27となります。
決勝でHと対戦して勝つ確率は(4/9)×(1/3)=4/27,
その他のチームと対戦して勝つ確率は、(5/9)×(1/2)=5/18なので、
Cチームの優勝する確率は,(5/27)×{(4/27)+(5/18)}=115/1458となり、
予測が正しいことが示せました。

「強豪校」が優勝する確率は128/243で、その他の学校が優勝する確率も115/243ありますから、
(後者は6校がかりですが、)確率はだいたい半々とみられるようです。

例題2完全なフリー抽選のとき
Aはどこでも良いので、aの左として構いません。
1.初戦でHと対戦するとき
抽選でこうなる確率は1/7なので、(1/7)×(1/2)×(2/3)×(2/3)=2/63となります。
2.Hがbに入ったとき
抽選でHがbに入る確率は2/7です。
Aが1回戦と決勝で勝つ確率は共に2/3となります。
2回戦でHと当たって決勝に進む確率は2/3×1/2
2回戦でHと当たらずに決勝に進む確率は1/3×2/3ですから,
(2/7)×(2/3)×(2/3)×{(1/3)+(2/9)}=40/567となります。
3.Hがcまたはdに入ったとき
抽選の結果このようになる確率は4/7で、例題1の結果より,
(64/243)×(4/7)=256/1701となります。
以上より、(2/63)+(40/567)+(256/1701)=(54+120+256)/1701=430/1701 となります。
他チームの優勝確率の合計は、(1701−860)/1701=841/10206ですから、
Cチームの優勝する確率はこれを6で割った841/10206となります。(検証略)

64/243=448/1701なので、Aにとってはシード制のほうがちょっと有利となります。

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