数直線上の点の運動について

例題1 1 個のサイコロを振り,出た目によって数直線上にある点 P を以下のルールで動かす。

3 の倍数の目が出たら正の方向に 1 だけ進む。
その他の目が出たら負の方向に 1 だけ進む。

最初に点 P は原点にあるとするとき,次の問いに答えよ。
(1) 4 回サイコロを振った後に原点に戻る確率を求めよ。
(2) 6 回サイコロを振った後に P の座標が 2 となる確率を求めよ。

同じことを繰り返しているので,反復試行の問題と認識します。
1 回サイコロを投げて,正の方向に 1 だけ進む事象をA,負の方向に 1 だけ進む事象を B とする。
(文章の長い事象に対しては,このように名前を省略することもポイント)
1 回の試行において,事象 A,B の起こる確率は,それぞれ 12 です。
33
(1)  A,B が 2 回ずつ起これば良いと,直感で気づいて良いと思います。求める確率は,
4C(1 )2×(2 )2=8
3327

(2)  少し難しいかもしれませんが,A が r 回出たとき,n 回後の座標を r で表すことを考えます。
A が r 回出たとBすると,B の起こる回数は (6 − r) 回。
A が起こると +1,B が起こると −1 の方向に進むので,6 回後の P の座標は,
1 × r + (−1)×(6 − r) = 2r − 6
(最終的に 2 の位置にたどり着くので)2r − 6 = 2 を解くと,r = 4 となります。
以上より,求める確率は,
6C4×(1 )4×( 2)2=20
33243

例題 2  数直線の原点を出発し,数直線上のみを動く点 P がある。
1 枚のコインを投げ,表が出たら P を正の方向に 3,裏が出たら P を負の方向に 2 だけ P を動かす。
コインを 10 回投げるとき,点 P が原点にいる確率を求めよ。

例題 1 の復習です。 表が出る回数を r とおくと,裏が出る回数は,10 ー r である。
これより,10 回後の P の座標は,
3r - 2(10 ー r) = 20 − 5r
ここで,方程式 20 − 5r = 0 を解くと,r = 4
よって,求める確率は,
10C4 ×(1)10=105
2512

もっと難しい問題や座標平面上の運動もありますが,先送りします。…

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