これが今回の主テーマです。
なぜ nCr を掛ける必要があるのか,いつも質問されます。
機械的に覚えることはできても,納得できないのでしょうね…
私の授業を受けた生徒からも改めて質問されることがあり(怒りたくなりますが),
まず,次が起こる確率は何を指すか,改めて考えてみましょう。
(A) は,「最初の 3 回は 3 の倍数の目が出て,残り 2 回は 3 の倍数の目が出ない」確率を求めています。
「3 の倍数の目が出る」事象を☆,「3 の倍数の目が出ない」事象を△とすると,
☆☆☆△△ の順に出ることしか数えていませんから…
「ちょうど 2 回 ☆ が起こる」という文章は,「何回目にこれが起こっても構わない」と解釈してください。すると,
☆△☆△△ の順に起こっても良いし,△☆△☆△ の順に起こっても良いことになります。
これらは積の順序を入れ替えると,すべて (A) と等しくなります。つまり,
「ちょうど 2 回 ☆ が起こる」は,☆☆☆△△ を並べ替えた分を,すべて加算しなくてはいけません。
☆☆☆△△ の並べ方は,同じ文字を含む順列より,
一方で,考えている事象が「起こる」と「起こらない」の 2 つの事象しか考えていないとき,
5 回の試行のうち,2 箇所を ☆ に取り換えると,残りは自動的に △ になります。よって,求める確率は,
5C2 × |
( | 1 | ) | 2 |
( | 2 | ) | 3 |
= | 80
| 3 | | 3 | | 243
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公式 |
ある試行を 1 回行って,事象 A が起こる確率が p であるとする。
この試行を n 回繰り返したとき,事象 A がちょうど r 回起こる確率は
nCr × pr × (1 − p)n − r |
覚え方の 1 例:(並べ方)×(起こる確率)回数 ×(起こらない確率)残り回数
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