確率漸化式について

ある試行をn回繰り返し、その試行の後、 m個の事象A(1)〜A(m)の起こる確率をP(n,1)〜P(n,m)とする。
P(n,k) (1≦k≦m)の起こる確率が、n−1回目(以下)の事象と関連するとき、
このP(n,k)は、漸化式によって表されることが多い。
こうして導かれる漸化式を、確率漸化式という。

例題
1と6が正反対の位置にあるさいころを、等確率で横に倒していく。
最初に1の目が上にあるとき、n回後に1または6の目が上にある確率を求めよ。

Point1 n回目の確率が、n−1回目の状態に左右されるとき、
求める確率は漸化式の形になることが多い。→小手調べをしてみる

まず、小手調べをして見ましょう。
n回後に1または6の目が上にある確率をa(n)とします。
1回目の試行では絶対に1または6の目は出ませんから、a(1)=0ですね。
2回目の試行で1または6の目が出る確率は1/2ですから、a(2)=1/2です。
Point2 確率漸化式の攻略発想…「集める」
3回目に1または6の目が出ているためには、2回目にはどういう状態でなくてはいけないでしょうか?
2回目に1または6の目が出てしまうと、3回目ではそうはなりませんよね。
つまり、2回目では(1または6の目)が出ていない状態でなくてはいけません。
その状態から1または6の目が出る確率は1/2ですね。
よって、a(3)={1-a(2)}*(1/2)=1/4 となります。
Point3 小手調べをして感じがつかめたらn回に挑戦する
3回目の状態から推測すると、n+1回目で1または6の目が出るためには、
n回目では(1または6の目)が出ていない状態で、その状態から1/2の確率で起こります。
関連項目;

さいころをn個投げたときの目の和について
早稲田大学理工学部の入試問題
立方体のランダムウォークについて
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