やや複雑な場合分け

ルールが複雑に感じるとき,事象をもれなく,重複なく分けきるには,ある程度訓練が必要です。
ここでは,このような例題をとりあげます。

例題 1  サイコロを 2 個振り,目の出る和の分だけ進めるすごろくをする。
 ルール
 2 つのさいころの目が異なると,進んだところで終了する。
 2 つのさいころの目が等しい(以下ゾロ目という)とき,もう 1 度さいころを振る事が出来る。
 3 回連続でゾロ目が出たときは「刑務所」に飛ばされる。
 スタートから 30 マス目にも「刑務所」に飛ばされるマスがある。
スタートのマスから出発してさいころを振るとき,「刑務所」に飛ばされる確率を求めよ。

モノポリーのルールをご存知の方は、他のいろいろな要素を考えてしまうかも知れませんが、
途中でカードを引く事によって刑務所やその他のマスに飛ばされたり、
30 マス進む前に破産してしまうこと等は除いて考えてください。

2 回ともゾロ目が出るとき,進めるマスの最大値が 24 なので,
「刑務所」に飛ばされるには,さいころは必ず 3 回振ることになります。

全事象は (62)3 = 66 通りです。(計算はあと回し) 残りは表でまとめることにします。
2 回目までの和 3 回目の条件 場合の数
24ゾロ目または目の和が 6 6 + 4 = 10
22ゾロ目または目の和が 8 2 ×(6 + 4) = 20
20ゾロ目または目の和が 10 3 × (6 + 2) = 24
18 以下ゾロ目 30 × 6 = 180
最初の 3 つは 「ゾロ目」と「目の和」(例えば 3 + 3 = 6)に重複があるので,増え方が変則的になります。
以上は互いに排反ですから,合計すると,
10 + 20 + 24 + 180 = 234 = 6 × 3 × 13
よって,求める確率は,

6 × 3 × 1313
6615552
最初に刑務所に飛ばされてしまうのは,およそ 1200 回に 1 回の割合なので,かなり稀なことと言えますが,
1 周できずに刑務所に飛んでしまう不幸なことは,ありがちかもしれません…
例題 2 4 個のさいころを同時に振ったとき、その目の少なくとも 2 つは連続した数である確率を求めよ。

某質問掲示板に掲載された問題の改題です。面白そうなので頂きました。
「少なくとも」なので,お約束どおり余事象でしょうか…

全事象は 64 通りあり,それらは同様に確からしい。

[A] 出る目がすべて異なるとき
(1,3,5, 6) など,すべて条件に適する。
[B] 出る目がちょうど 3 種類のとき
目が連続しないような出方は(1,3,5),(1,3,6),(1,4,6),(2,4,6)の 4 通り
どの目が 2 個出ているかの数字の選び方は 3 通り
さいころと目の対応について,4 × 3 = 12 通り
以上より,余事象は 144 通り
[C] 出る目が ちょうど 2 種類のとき,
出る目の選び方は,6C2 通り
このうち,題意に適するのは,(1,2) から (5, 6) までの 5 通り
残りの 10 通りの各々について,ちょうど 2 種類の目が出る方法は,24 − 2 = 14 通り
以上より,余事象は 140 通り
[D] 出る目が 1 種類のとき,6 通り
以上より,余事象の場合の数は,144 + 140 + 6 = 290 = 2 × 145
よって,求める確率は,
1296 - 290648 - 145503
1296648648