取り出した札の合計の期待値

例題 1 袋の中に 1 と書かれた札が 4 枚, 2 と書かれた札が 3 枚,
3 と書かれた札が 2 枚の,合計 9 枚が入っている。
この中から同時に 2 枚を取り出すとき,書かれた札の番号の合計の期待値を求めよ。
早速表にしてみましょう。全事象は 9C2=36 (通り)です
合計 X場合の数 A XA の値
2 4C2=6 12
3 4×3=12 36
4 4×2+ 3C2=1144
5 3×2=630
616
合計36128
よって,求める期待値は128 = 32
369
確率計算はすべてに区別をつける約束になっているので,次のようにも考えられます。
9 枚から 2 枚選んだとき,特定の札 A を含む取り出し方は(他の 8 枚から 1 枚とった) 8 通りです。
A はどれでも良い(A = 1,1,1,1,2,2,2,3,3 )ですから,求める期待値は
(1×4 + 2×3 + 3×2)×8 = 32
369
何度も同じ状況をカウントしているのでとても不思議ですが、この考え方はとても便利です。

ところで,この袋から 1 枚だけを取り出したときに書かれている札の数の期待値は,
1×4 + 2×3 + 3×2 = 16
99
・・・ちょうど2倍になるのは偶然ですか?・・・

例題 2  1 から 6 までの番号のついた札が 1 枚ずつ合計 6 枚ある。
この中から3枚を同時に取り出したとき,取り出された札の合計の期待値を求めよ。

特定の札 A を選んだとき,残りの 2 枚の選び方が 5C2 通りあります。
これより,求める期待値は,
(1 + 2 + 3 + 4 + 5 + 6) × 5C2 = 15
6C32
ちなみに 1 枚をとったときに書かれた札の数の期待値は
1 + 2 + 3 + 4 + 5 + 6 = 5
62
・・・やっぱり、ちょうど 3 倍になりました。・・・

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